
精緻を極めた立体球プロジェクションマッピング
精緻を極めた立体球プロジェクションマッピング
平面に立体物を作り出す。
プロジェクションマッピングの定番にして原点の一つでもある演出です。
今回はこの一点をハイクオリティに映し出すプロジェクションマッピングをご紹介します。
SPHERE videomapping installation
スクリーンとなる立体は正方形のパネルと中心の半球状のオブジェのみ。
とてもシンプルなスクリーンです。
巨石が擦れるような、重苦しいノイズが響き渡り半球のオブジェが球体へと変化していきます。
表面にテクスチャが投映されているわけでもないのに、この音を聞いていると
球体が大理石の塊に思えてきます。
どこが床なのかわからなくなる小さな球のアニメーション。
高度な物理演算によって完璧な重力制御がなされています。
あまりのリアルさについ手が出てしまった女の子。
こんなの見たら誰だって騙されてしまいます。
この作品を手掛けたのはモスクワに本拠地を持つビデオアートプロダクション「kinosignal」。
他にもかなり独特な作品を世に送り出しています。
気になった方はぜひ一度ご覧になってみてはいかがでしょう。
[参考サイト]
ELEBLOG
SPHERE videomapping installationから学ぶ事
この作品で注目したいのは「音」のチョイスです。
石臼を連想しそうなノイズ音は作品に厚みのある力強さを与えています。
同時に、精巧なアニメーションにこのノイズ音が加えられることで
「動いている」イメージはさらに補強されます。
音が放つ情報は人の感情や記憶を強く刺激します。
このノイズ音を耳にした人は直感的に「何かが動いている?」と思う事でしょう。
作品を目にしていなくても、音の発生源をつい探してしまうはずです。
結果的に人の注目を集めることにも繋がります。
探し当てた先にはアニメーションによる視覚的な情報が叩き込まれ
より深くこの作品を記憶することでしょう。
シンプルなテーマを突き詰めたこの作品は
プロジェクションマッピングに求められる全ての要素を完璧に備えています。
まさしくお手本とすべき作品です。
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